人工知能とは
近い将来、人工知能(AI)が我々の仕事の多くを奪うとされています。逆に、人工知能という技術を利用した新たな仕事(AIビジネスやデータ調査官など)が生まれるとも言われています。人工知能の可能性と限界を適切に知ることは、これからの時代を生きていく上で最低限の教養となるでしょう。
【目次】
【人工知能】
人工知能(AI:Artificial Intelligence)とはコンピュータ(計算機)を用いて知的な情報処理(学習・推論・判断)を行う技術や人工的な知能のことです。人工知能の分野の一つとして機械学習が存在し、代表的な機械学習の手法として教師あり学習・教師なし学習・強化学習が存在します。
【機械学習】
機械学習とは大量のデータを学習することで、予測や分類などを行う技術やアルゴリズムのことです。ルールベースの人工知能(人間が考えたルールに従って予測や判断を行うAI)とは違い、機械学習はデータに潜む規則性や相互関係などを自動的に見つけ出し、その学習を基に予測や判断を行います。
代表的な手法として教師あり学習・教師なし学習・強化学習があります。
【教師あり学習】
教師あり学習とは正解ラベル付きのデータを使って学習させる手法です。例えば、事前に正解付きの手書きの数字(0~9)を学習させることで、正解を付けていない手書きの数字を正しく認識できるようになります。
メリット:効率的にデータから学習することができます。
デメリット:膨大なラベル付きデータを用意する必要があります(数千、数万のラベル付きデータを用意することは容易ではありません)。
【教師なし学習】
教師なし学習とは正解ラベルが存在しないデータを使って学習させる手法です。例えば、犬の画像と猫の画像からそれぞれの特徴を自動的に見つけることで、犬の画像と猫の画像を正しく分類できるようになります。
メリット:膨大なラベル付きデータを用意する必要がありません。
デメリット:分類基準を予測できない為、分類が実用上役に立たない可能性があります(例えば、犬か猫で分類するのではなく、毛色や柄で画像を分類してしまう可能性があります)。
【強化学習】
強化学習とはコンピュータが「環境」や「状態」に応じて、どのように「行動」すれば「報酬」が最も多く貰えるかを学習する手法です。例えば、ロボットに「歩けた距離」を報酬として与えることで路面の状態(環境)や姿勢(状態)に応じてどのように動けばより多くの距離を歩けるのか(より多くの報酬を得られるのか)、学習させることができます。
メリット:1度の行動に対する評価が難しい問題について扱うことが出来ます(例えば、オセロでは一手で多くのマスを取ることよりも、角のマスを取ることに繋がる一手の方が望ましい場面があります。強化学習では、短期的な報酬ではなく長期的な報酬に向けて行動するように学習させることが出来ます)。
デメリット:評価方法に対して意図しない行動を学習してしまう可能性が挙げられます。
次回は、実際に強化学習を使用した最も単純なアプリケーションを紹介する予定です。